むくみを解消する呼吸方法とは?【胸郭呼吸法】

呼吸が変わればむくみ知らずに!

このページでは、むくみを解消するリンパの流れを促す呼吸法(胸郭呼吸)を紹介します

呼吸が変わればむくみ知らず

呼吸が変わればむくみ知らず

むくみを解消するにはリンパの流れが大事だということは、常識になってきました

従来、リンパの流れを促すためには、大きく2つの力が作用していると言われてきました。ひとつは「筋肉ポンプ」作用、もうひとつは「心臓吸引」作用です。これらの力を利用することで下半身のリンパは滞ることなく上半身に流れてくれる、というのです

筋肉ポンプは体がもつ筋肉の力でリンパの流れを促す作用、心臓吸引は心臓が動くことでリンパの流れをうながすことです

ですが、実際にこの2つの力だけでは、リンパの流れを良くするには不十分です

たとえば事務仕事をしていた場合、数時間も座り続けることが少なくありません。この時、「筋肉ポンプ」作用は期待できませんし、「心臓吸引」作用はもともと微々たるものです

そこで今回紹介するのは胸郭(きょうかく)呼吸です。胸郭呼吸によって、下半身の血液やリンパ液を上半身に吸い上げるのです

※胸郭呼吸の詳しい方法については、このページの下部に記載しています

胸郭呼吸でむくみ解消

胸郭呼吸

下肢に障害を持った人を例に考えます。下肢に障害を持つと自ずと呼吸機能も低下するそうです

そこで、そういった人たちに胸郭呼吸介助を行なったり、自分でできる胸郭呼吸法を指導したりすると、呼吸機能が徐々に回復し運動能力がアップしてくるのですが、その時にもうひとつ変化があったそうです

その変化とは、下半身の血行改善も促されたことです

下半身の筋肉が麻痺すると筋肉は痩せてしまい、非常に細くなってしまいます。もちろん「筋肉ポンプ」作用は期待できません。ですが、組織としては存続していなければならないので、血液は流れ続けなければなりませんし、自分の力や他の人の力を借りて下半身のリハビリを行ない、関節が今以上に硬くなること(関節拘縮といいます)を防止します

生活の質(QOL)を高めるためには、血行は一定以上に保たれているほうが良いのです

胸郭呼吸を行なっていると、下半身の血行が改善されるのです。胸郭呼吸をした瞬間に変化が起こるというものではありませんが、関節拘縮が緩やかになったり、リハビリ効果が期待しやすくなるように感じたのです

胸郭呼吸で下半身の血液・リンパ液を吸い上げる

胸郭呼吸を行なうと、下半身の血行だけが良くなるのではありません。

上記の下半身のリハビリが「むくみにも効果があるのではないか」と考えられ、早速、むくみを感じている人に協力してもらい、実験が行なわれました

脚がむくんでいる状態から、ただ単に寝ながら胸郭呼吸をしてもらったところ、脚を高い位置にして寝ている方よりむくみの改善が見られたのです。また、立ち仕事をしている時に胸郭呼吸を行なってもらったところ、いつもより脚のむくみが軽くなったそうです。胸郭呼吸は下半身の血液とリンパ液を吸い上げる作用があったのです

胸郭呼吸で息を吸い込みますと、下腹部は引っ込み胸郭が広がります。この時、胸郭内は陰圧になり、また、胸郭運動により胸腺の働きが促されますので、腹部の血液やリンパ液を吸い込みます

そして、胸郭呼吸で息を吐く時、今度は腹部が陰圧になるので、下半身から血液やリンパ液を吸い上げてくれるのです。これを繰り返すことで、まるでバキュームされるように下半身の血液やリンパ液が上半身に吸い上げられるのです

正しい胸郭呼吸の方法

正しい胸郭呼吸の方法

胸郭呼吸の簡単な練習方法を紹介していきましょう

胸郭(きょうかく)とは、胸椎(きょうつい)、肋骨(ろっこつ)、胸骨からなる骨群、さらに横隔膜や筋肉らで構成される胸部をいいます
胸郭呼吸は胸を大きく膨らませるイメージで、胸部に空気を取り込むように呼吸します

下腹部を膨らませず、胸部を膨らませて呼吸するのがポイントです

この胸郭呼吸を覚えれば、1日2万回以上呼吸をするわけですから、その度に下半身から血液やリンパ液を吸い上げ、むくみ知らずのからだに一歩近づくことになります

胸郭呼吸を行なうには、仰向けで行なう練習方法と立った状態で行なう練習方法があります。最初は仰向けで練習し、慣れてきましたら立って練習を行なうと良いと思います

胸郭呼吸について「うまくできない」という声もありますが、そういった方の呼吸を見ていますと、下腹部を膨らます癖があるようです。胸郭呼吸で息を吸い込む時に下腹部を引っ込めながら行なうと、自然に胸郭が広がります

身体を締め付けない格好で行う

そして重要なのが、練習時は下着、特にブラジャーを外すことです。本を読んで胸郭呼吸を行なおうとしても、なかなかできない人の中にブラジャーが呼吸の妨げになっている方が少なからずいます

胸郭呼吸は、背骨の胸椎と肋骨、そして胸骨で構成されている胸郭のフイゴ運動をバランスよく行なおうとするものですが、ブラジャーはこのフイゴ運動を抑えてしまうのです

つまり、ブラジャーをつけながら胸郭呼吸を行なうというのは、車のブレーキとアクセルを同時に踏む行為に似ています

普段からからだを締め付けるようなプラジャーをなるベく身に付けないように心がけ、胸郭呼吸の練習を行なう時はブラジャーを外して、下腹部を引っ込めながら息を吸う、このニ点に留意して行ないましょう

下腹部が膨らむようでしたらうまく胸郭呼吸はできていませんからご注意下さい

下腹部呼吸は厳禁

残念なことに、多くの女性が行なっている下腹部呼吸は、呼吸量が少なくなることからも分かるように、下半身から血液やリンパ液を吸い上げる作用は弱く、折角吸い上げたものを胸郭が吸い込んでくれません

下腹部にリンパ液が溜まりやすくなってしまい、下腹部肥満を起こして内臓にも脂肪が沢山ついてしまうのです。近年、女性のむくみや、ウエストが太くなる人が増えつつありますが、その理由のひとつに下腹部呼吸があったのです

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