むくみの原因になる8つの病気と、病気ではないむくみ

むくみで注意が必要なのは、病気の症状として現れているケースです

むくみの他にどんな症状が出ているか考えてみましょう。むくみの他の症状で病気が推測できます

ここではむくみの原因となる病気を8つ紹介します。なかには病気が見つからないむくみがありますので注意が必要です

むくみを引き起こす病気

むくみを引き起こす病気

むくみは専門的には「浮腫」と呼ばれ、細胞と細胞の間の隙間に、水分が異常にたまってしまった状態をいいます

むくみが酷くて、病院を受診した場合、血液検査や尿検査などを行って、心臓、肝臓、腎臓、ホルモンの分泌などに異常がないかどうかを調ベ、総合的に判断します

検査で異常が発見されたら、その病気の治療を始めます。原因となるになる病気が改善されれば、むくみの多くは解消していきます。検査の結果、特に異常がない場合には、「特発性浮腫」(病気が原因でないむくみ)として、むくみそのもの対する治療を行っていきます

むくみは病気のサインにもなる

水分は、全身を巡っていますから、体内の水分量の調節には、いろいろな臓器がかかわっています。むくみはいろいろな病気のサインとしても現れますが、むくみが現れる病気の中でも特に気をつけたいのが心臓や腎臓、肝臓の病気です。これらの病気でむくみが現れる場合、病気がかなり進行している可能性があります

ここからは、むくみが症状として現れる具体的な病気を紹介します

むくみの原因になる病気①腎臓病

腎臓病

水分の循環には、ナトリウムやカリウムといったミネラルが大きな役割を果たしています。腎臓には、ナトリウムの量を調整する働きがありますが、腎臓病になると、この働きが低下し、体内のナトリウムが多くなります。ナトリウムが多くなると、血液の量が増えるため、むくみが起こります

もう1つ、腎臓病が原因でむくみが起こるのは、血液を濾過する機能が低下するためです。血液は、腎臓にある糸球体という組織で濾過されます。糸球体が障害されていると、血液中のたんぱく(アルブミンといいます)がどんどん排泄されてしまうため、血液中のたんぱく濃度が低下します。すると、水分が血管内に戻りにくくなってむくみます

むくみの原因になる病気②心臓病

心臓病

心臓の病気にはいろいろな種類がありますが、どんな病気でも、心臓の機能が著しく低下すると、十分な圧力で血液を送り出すことができなくなり、血液の流れが滞ります

血管の中に血液が異常にたまっていると、血液中の水分が血管からにじみ出してしまい、むくみを引き起こします。また賢臓に送られる血液の量が少なくなることも、むくみの原因になります

心臓病では普通、むくみより先に、動悸、息切れ、胸の痛みなどの症状が出ます

しかし、心臟弁膜症や心不全などの場合は、特にほかには定状を自覚せず、むくみで異常に気づく場合もあります

むくみの原因になる病気③肝臓病

肝臓病

肝臓は、体の中で必要とするものを生産したり、蓄えたりする臓器です。肝臓病で機能が低下するとむくみの原因になります

むくみと関係の深いアルブミンというたんぱく質は肝臓で作られます。そのため、肝臓病でアルブミンが作られなくなると血液中のアルブミンが少なくなり、血管内に水分が回収されずに細胞に水が溜まるため、むくみが発生するということです

肝臓の機能が酷く低下すると、お腹のあたりが特にむくみます

むくみの原因になる病気④妊娠中毒症

妊娠中毒症

妊娠中は、大きくなった子宫が血管を圧迫し、血行を妨げるため、むくみやすくなります

通常は横になって休んでいれば、むくみは解消するはずです。むくみが何日も続く場合は「妊娠中毒症」の可能性が考えられます

妊娠中毒症は、妊娠による負担が全身の血管や腎臓にかかり、高血圧、たんぱく尿、むくみが現れる病気です

高血圧、たんぱく尿、腎臓の機能低下は初期には自覚症状がありません。むくみが唯一のサインといえます。足のしつこいむくみがあり、かつ、尿の量が少なくなったなどの場合は、妊娠中毒症の可能性があるので早めに受診しましょう。

むくみの原因になる病気⑤バセドウ病

バセドウ病

バセドウ病は甲状腺ホルモンの分泌が、異常に多くなる病気です

新陳代謝が異常に高まり、多汗、手のふるえ、動悸、不眠、食欲増進などが現れます。また、イライラしやすくなったり、暑がりになります

バセドウ病では病気が長引くと、心臓に負担がかかって血液を送り出す力が弱り、むくみが起こります

むくみの原因になる病気⑥橋本病

橋本病

橋本病は、のどぼとけの下にある甲状腺に慢性的な炎症が起き、甲状腺ホルモンの分泌が低下してしまう病気です

甲状腺ホルモンは、細胞の新陳代謝を促したり、腸の運動を調整したりしています。また、脳や心臓などの臓器を活性化するなど、「体を元気にする」働きを持っています。血液の流れや汗の量のコントロールなど、体内の水分調整にも深くかかわっており分泌が低下すると、全身がむくんできます

また、むくみの他に毛が抜けやすくなったり、気分が落ち込むなど、多様な症状が現れます

橋本病では、むくむにもかかわらず、すねなどを指で押しても跡が残らないといろ特徴があります。寒がりで汗をかきにくくなる、皮膚が乾燥してつやがなくなる、まゆじりの毛が抜ける脱毛症状も、この病気の特徴です

むくみの原因になる病気⑦リンパ浮腫

リンパ浮腫

身体の中には、血管以外にも、リンパ液が流れるリンパ管が網の目のように張り巡らされています

リンパ液は、毛細血管からしみ出た血液成分や、不要物などを集めて流れており、最終的には静脈に合流します。また、身体内に侵入した細菌と戦う「リンパ球」もリンパ液に含まれます

リンパ管には途中に「リンパ節」があり、リンパ液を濾過したり、リンパ球をつくったりしています

がんなどの手術で、リンパ管や、リンパ節を切除してしまうと、リンパ液の通り道がなくなり、行き場のなくなったリンパ液が組織内にたまります。リンパ液に含まれるたんぱくには、水分を引き込む力があるため、その部分にどんどん水がたまってむくみます。これがリンパ浮腫です

むくみの原因になる病気⑧栄養失調

栄養失調

カリウムやカリウムなどのミネラルは、過度のダイエットなど偏った食生活を送っていると、不足気味になってしまいます

また、食事の量を極端に制限すると、アルブミンの原料となるたんぱくが不足して、アルブミンをつくれなくなり、むくみが起こります

原因が見当たらない特発性浮腫

特発性浮腫

検査を行っても、特に原因が見当たらないしつこいむくみは「特発性浮腫」呼ばれます

特発性浮腫は、太り気味の中年女性に多く見られ、やや神経質なタイプの人が多いという特徴があります

むくみ以外にも、冷えやほてり、めまいなどを訴えることが多く見られます。利尿薬が有効で、飲めばむくみは改善する傾向にあり、生命にかかわる病気ではありません

利尿薬が効くことから、自分の判断で薬の量を増やしてしまう人もいますが、利尿薬をのみすぎると、副作用が起こったり、服薬しないときにかえってひどいむくみが現れたりします

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